【side 牙玖】
緊張してガチガチの桜……可愛かったなぁ……。
……ダメだ、思い出したら反応する……。
冷たいシャワーを浴びて、邪念を静める。
けれど、これから桜とひとつになれるのだと思うと、収まりなんてつくはずがなかった。
付き合って、一ヶ月……。
正直、もっとゆっくり進むつもりだったんだけどな……。
あの義兄に触られている桜を見て、一刻も早く桜を俺のものにしたいと思った。
流石にあの日は我慢したけれど、もう、今すぐにでも桜と繋がらないと、不安でどうにかなってしまいそうな自分がいた。
初めてを頂戴と言った俺を、桜は受け入れてくれたけれど……
ーーほんとうに、俺は今桜の初めてを奪って、それでいいのだろうか。