「桜……そんなに緊張しなくても、大丈夫だよ」
「……っっ」
「俺もお風呂に入ってくるから……ゆっくり待っていてね」
あっ……そっか、がっ君もお風呂……。
少しの間猶予を与えられたような気になり、安堵から心が軽くなった。
ソファから立ち上がって、浴室へ行くがっ君の背中を見つめる。
がっ君がお風呂から出てきたら……そういうこと、を……。
……あーっ、わたし、だ、大丈夫なのかなぁ……っ。
まだ何もしていないのに、もう緊張でどうにかなっちゃいそう……。
両手で頬を覆って、顔の熱を冷まそうとしたけれど、その熱はなかなか引くことはなかった。

