がっ君の言葉に逆らう気にならず、大人しくじっとする。

優しく髪の毛を拭いてくれるのが気持ちよくて、目を瞑った。



「はい。ドライヤーかけるよ」



ブオーンと、熱の音を立てながら、綺麗に髪を乾かしてくれた。

髪を結うがっ君の手が、気持ちいい。
瞳を閉じたまま、ぼうっとしながらがっ君に身を任せていると、突然後ろからぎゅっと抱きしめられた。



「……はい、お終い」



がっ君がわたしの髪に顔を埋めて、すうっと息を吸ったのがわかる。



「いつもとシャンプー違うのに……ちゃんと桜の匂いがする」

「わ、わたしの匂い……?そんなのあるの?」

「あるよ。たまらなく良い匂い……ずっとこうしてたくなるくらいにね」



なんだか……恥ずかしい……。

自分の匂いなんて気にしてなかったけど、臭くないなら、まあいいのかな……?