「本当に……?」
「……う、ん……」
わたしだって……がっ君と、先に進みたいって……ちゃんと思ってるもん……っ。
なにもわからなくて、また……自分の身体が、お兄ちゃんの薬を飲んだ時みたいになると思ったら怖いけど……でも、がっ君は、わたしのはじめてが欲しいって言ってくれた。
わたしだって、はじめては……がっ君がいい……。
はじめても、その、先も……全部、がっ君とがいいよ……。
「桜……好きだよ」
心地いい大好きな声でそう言われて、心臓の鼓動はスピードを増す。
「行こう」
「うんっ……」
差し伸べられた手を握って、わたしとがっ君はイルミネーションに灯された道を歩いた。

