「わたしも……だ、大す……くしゅんっ……!」



うっ……肝心なところで、くしゃみしちゃった……っ。

恥ずかしくて俯けば、そんなわたしをがっ君が笑う。



「ふふっ、やっぱり、この時期は夜冷えるね。そろそろ……戻ろうか?」



戻る?



「家に、帰るの?」

「……ううん。今日は家には帰らない。ホテルをとってるから、行こうか?」



それって、つまり……

今朝言われたことを思い出して、先ほどまで寒かったのが嘘のように、熱を持った頰。


そう、だよね……今日は、そういうことをしてもいいよって……わ、わたしが言ったんだもん……!



「……大丈夫。桜が怖がることはしないから……嫌だったら、家に帰ってもいいんだよ?本当は、桜が隣にいてくれるだけで、こんなにも幸せ「だ、大丈夫!」



がっ君の言葉を、遮るように言い放った。



「わ、わたし……ほんとに、がっ君にならなにされても大丈夫……っ」