身内に、キスシーン…見られた…っ。

恥ずかしくて消えちゃいたい…ぅっ…。


羞恥が途轍もない勢いで込み上げてきたわたしに、がっ君は追い打ちを打つ。



「僕と桜子、恋人同士になったので…問題ないですよ」



恥ずかしげも無く告げられた言葉に、わたしはもう何も言えず口をパクパクと動かした。

お、お兄ちゃんに、言わなくても…!

そ、それに、言うなら心の準備を、させてほしかった…!


家族に恋の話をすることが無かったので、自分が恋をしていると知れるのがわたしにとってはとても恥ずかしいことだった。



「恋人…?」

「はい。ご報告が遅れてすみません」

「………桜子、脅されてるのか?」