「はい」



従順ながっ君は、丁寧な返事の後、素直に目を瞑ってくれた。

早く早くと催促してくる姿が可愛くて、きゅんっと高鳴る心臓。

かわいいなぁ……ふふっ。



「んっ……」



わたしからしたキスは、気温のせいか、とても温かかった。

熱い唇に、自分のものを押し付けて、名残惜しくもゆっくりと離す。

どちらからともなく目を開いて見つめ合うと、再びがっ君の胸に引き寄せられた。



「桜ッ……!」



がっ君に抱きしめられると、ほんとに安心する……。


今この瞬間は、何もかもを忘れられるほどに、幸せだった。



「ああっ……好きだよ桜。っ、愛してる……!」



どうやら、わたしからのキスを喜んでもらえたみたいで、力強い抱擁がそれを伝えてきた。