沸々と湧き上がるがっ君への愛しさが、止め処なく溢れてくる。
「それに……桜からは、美味しいケーキをもらっただろ?」
あんなケーキ……お礼にもならないのに……どうしてそんなに優しいの?
がっ君は、いつだってそう。
わたしにはなんでもしてくれて、きっとお願いをしたらなんだってしてくれるのに、わたしに見返りを求めようとはしない。
無償の愛に包まれている気がして、胸が切ない音を立てた。
「がっ君……」
「ん?どうしたの?」
「キス、してもいい……?」
自然と溢れていたその言葉に、がっ君の目が見開かれる。
今、がっ君とキスしたくて、たまらない。
そんな気持ちになったのは、初めてだった。
「……まさか、桜からそんなこと言ってもらえるなんて……ッ、はぁっ……やばいな」
我慢出来ないといった様子で抱きしめてきたがっ君の、苦しいくらいに力強い抱擁。

