「わたし……薔薇が、一番好きなのっ……」

「うん。知ってるよ。桜の好きなものは……全部知ってる」



わたしを見つめる優しい瞳に、熱い愛が篭っている気がして、愛しさがこみ上げる。



「ありがとう……っ。嬉しいっ……」



まさか一ヶ月記念日のために、がっ君がここまで用意してくれているなんて思わなかった。

わたしも……もっと何か、用意しとくんだった……

気が利かない彼女で、情けない……。



「ごめんね。わたし、何も用意してなくて……」



申し訳なくて下唇を噛み締めたわたしに、がっ君はいつもの優しい笑顔で微笑んでくれた。



「そんなの、桜は気にしなくていいんだよ。俺が桜の喜ぶ顔が見たくて、勝手に渡してるだけなんだから」