「も、もうがっ君……そんなに見ないで……恥ずか、しいっ……」

「ふふっ、ごめん、邪魔しちゃったね」



冗談っぽくそんな言葉をこぼすがっ君に頰を膨らませたけれど、目の前の彼は嬉しそうな表情を崩さなかった。

手を握ったまま、イルミネーション全部が見たくて、明かりの灯った道を歩く。

イルミネーションのアーチを潜ると、さらに綺麗な演出が待っていた。



「見てがっ君!あの所、花の形になってる!」

「桜は花が好きだね」

「うん!大好き!」



笑顔を返せば、がっ君は花のイルミネーションの前で突然立ち止まった。



「じっとしててね」

「え……?」



それだけ言って、わたしの後ろに回ったがっ君。