京極財閥の跡取り息子であるがっ君は、いつも警備が厳重だった。

わたしと二人で出かける時も、どこかから監視されているような視線を感じていたし……。

デートへ行く場所も、いつも人目が少ない場所。

ランチもディナーも、基本的には京極財閥の経営するホテルで……っていうのが多かったのに、レストランみたいな人目の多いところ、大丈夫なのかな?


一抹の不安を抱きながら、進んでいく車。



「ほら、着いたよ」



手を握って降りた先には、可愛らしい外装のレストランがあった。

わっ……可愛い……!

「入ろうか?」とわたしの手を引くがっ君に連れられ、中に入る。

内装も可愛らしい造りになっていて、胸がときめくほどだった。