「桜、どこか行きたいところはある?」
「うーん……特には……がっ君は?」
「俺は、桜が行きたいところに行きたいな」
うっ……そう言われると、迷う……。
がっ君はいつも、こうしてわたしの意見ばかりを優先してくれて、自我を言おうとしない。
昔は、気を使っているのかなと思っていたけど、最近本心で言ってくれているのだと思うようになった。
「それじゃあ……甘いものが食べたい」
「なら、桜を連れて行きたいと思っていたカフェがあるから行こうか?そこでランチもとろう」
カフェ……?
深く頷いて、がっ君にエスコートされるまま車に乗った。
がっ君とカフェに行くなんて……初めてかもしれない。