俺は桜にかっこいいって思われたくて、勉強もスポーツも何もかも、手を抜かずに頑張っているから……少しでも、かっこいいところを見せたかった。
所詮男なんて、みんなそうだろう。
「どうしてあんなところからシュートが入るの……!?わたし、目の前まで近づいてもボール入らないのにっ……!やっぱりがっ君は凄いっ……!」
「今度教えてあげようか?」
「わ、わたしには出来ないよぉ」
困ったように眉を垂れ下げる姿が、可愛くて心臓が潰れてしまいそう。
ああっ、早く二人きりになりたい……。
「あ、あのっ、がっ君」
いい辛そうに口を開いた桜に、俺は嫌な予感がした。
「とーる、いるでしょう……?少しだけ、話しちゃダメ?」
……あー……もう、そんなこと、俺が許すとでも思ってるの?