……え?
突然のことに固まっていると、桜は満面の笑みを浮かべて、小さくて可愛らしい唇を開いた。
「がっ君、すーっごくかっこよかった……!」
さ、桜……ッ。
こんなみんなの前で、桜が抱きついてきたことだけでも心臓が止まりそうなのに、そんなこと言われたら……ッ。
運動終わりという理由ではなく、桜の可愛さに息が上がってしまう。
荒ぶる心を必死に鎮めて、小さな身体を抱きしめ返した。
「……ふふっ、桜にそう言ってもらえて、嬉しいよ」
今まで、各部の助っ人を頼まれた時、桜を他の部員に見られるのが嫌で連れて来なかったけど……これからは、試合の度に連れて来ようかな。
俺は常に桜を可愛いと思っているけど、桜が俺をかっこいいって言ってくれるのは少ない。