「どうする?賭けを言い出したのは君だ。僕は優しいから、選ばせてあげる。……死ぬか、今後一切桜子に近づかないか」

「……ッ」



難波徹の顔に、初めて恐慌の意が映った。

奴の答えがわかって、フッと鼻で笑う。



「わかってくれたみたいでよかったよ。それじゃあ、整列しようか?」



みんな、待ってるから。


難波徹の背中を押して、奴共々整列をした。

相手校と握手を交わし、ベンチへと戻る。

久しぶりにバスケしたから、少し疲れた……スリーポイント連打なんてしたから、肩が痛いな。

もう少し、トレーニング増やそうか……桜に、ナヨいって思われたくないしね。



「がっ君……!」



ベンチに戻った俺に、笑顔で駆け寄ってくる桜。


その笑顔ひとつで、疲れが全て吹き飛んで行った。

俺も微笑んで桜へと駆け寄ると、飛びつくように俺へ抱きついてきた桜。