なぁ、会話成り立ってないんだけど。



「突然何を言い出すかと思えば……凡人の考えてることって、よくわからないよね」

「黙れ!!お前みたいなやばい奴に、桜子は……「おい」



いい加減、それやめろ。



「気安く『桜子』って呼ぶな」



俺以外が桜の名前を紡ごうなんて、吐き気がする。

呼び捨てなんて、以ての外。

ほんと、お前には殺意しか湧かないよ。



「桜子は僕のものなんだ。これ以上付き纏うなら、本当に君のこと……」



自分が今、どんな顔をしているかだなんてわからない。

ただ、俺を映す難波徹の瞳には、脅えが見えた。

顔を青くして、終いには震えている。



「ーーどうにかしちゃうかもしれないよ、俺」



これは脅しなんかじゃない。

桜に関することなら、俺はいつだって本気だ。