どうやら負けるなんて想像もしていなかったらしいけど……その自信って、一体どこから来てるんだろ。

あー、笑える。

本当は、練習試合だし、ただの一助っ人だから、出しゃ張るつもりなんて無かったんだけど……俺に火をつけたのは、お前だろう?

世界の終わりみたいな顔しちゃって、情けない男。

お前みたいなやつが桜に手を出そうなんて、身の程知らずもいい所だ。



「僕が勝ったら、どうする約束だったっけ?」



俺の言葉に、難波徹はなにも言わない。



「聞いてる?君は負けたんだよ、ほら……ね、死んでくれるんでしょ?」



賭けようって言ったのは、お前の方だ。



「お前、桜子のこと騙してるんやろッ……!」



急に振り返ったと思えば、難波徹から出た第一声はそんなもの。