シュートレンジ、ハーフラインまで……?
それはつまり、ハーフラインまでなら、どの場所にいても入るって言ってるの?
「あいつら……ちょっと痛い目見た方がいい」
にやり、と、口角を上げ意味深な笑みを浮かべた京極さん。
その姿に、ゾクリと寒気がした。
そうこうしているうちにタイムが終わり、試合に戻る。
僕らの誰もが、京極さんの言葉を完全に信用していなかった。
だって、そんな広いシュートレンジ、プロでも滅多にいない。
京極さんは部員でもないし、バスケに費やす時間なんて無いに等しいだろう。
それなのに……ありえない。
パスが回って来て、一気に囲まれた。
早乙女は、守備も固くて嫌になる。
今空いてるのは……京極、さんだけ。
ピンポイントでパスを回すと、ちょうどハーフラインを踏んでいる京極さんに回った。

