「そうだったんだね。でも、帰ってくるって事前に教えてくれたらよかったのに…!」
「桜子たちを驚かせたくてね」
「もう!驚いたよっ…!」
「あはは、ごめんごめん」
「お兄ちゃん、おかえりなさいっ…!」
「ただいま。はぁ…桜子」
わたしの方に額を付けて、すりすりと擦り寄せてくるお兄ちゃん。
「ふふっ、くすぐったいよ!」
久しぶりに会えてお兄ちゃんも喜んでくれているのか、わたしは笑ってお兄ちゃんの頭を撫でた。
「……京極君、桜を送ってきてくれたのかな?ありがとう。…もう帰っていいよ」
…あっ、そうだがっ君…!
お兄ちゃんとの再会を噛み締めていて、がっ君のことを放ったらかしてしまった。
またしても低い声で言ったお兄ちゃん。がっ君は気を悪くした様子も無く、いつもの物腰柔らかい笑み。

