負けたくない、負けられない。
僕が、このチームを引っ張っていくんだ。
本当は、力試しに正規レギュラーだけでスタメンを組みたかったけど……相手が相手だ、そうも言ってられない。
スタメンに京極さんを入れたことで、不満に思った部員もいるかもしれない。
けど、僕は何よりも、勝ちを優先した。
ジャンパーは、天堂君。
審判が、ボールを手に取った。
このボール……取った方が、先取する。
直感的にそう思って、僕は全神経を尖らせた。
……いや、僕だけじゃない。
ここにいる、"彼"以外の誰もが。
審判がボールを上げ、ジャンパーが跳ねた。
先にボールを取ったのは……
ーー早乙女校、難波君だった。

