【完】君は狂った王子様。Ⅱ




うーん……ま、いっか。

気にせずに、ベンチまでの道を歩いた。

京極さんは、何故かひとり駆け足でベンチへと向かって行く。



……あ。

どうしたのかと思えば……彼女さん、か。


彼は、真っ先に彼女の元へ駆け寄り二人で話している姿が目に入る。

そこはまるで、二人だけの世界。


お似合い、としか言いようのない美男美女。

さっき、この子のこと言われて相当怒っていたみたいだし……大好きなんだろうなぁ。


僕も、応援しに来てくれるような彼女が欲しいっ……!


非モテの叫びは心の中へと留め、ジャージを脱ぐ。

それぞれ試合前のストレッチを済ませた頃、収集が掛かった。


……よし。



「行こうか」



三年生が引退して……初めての練習試合。