「で、何を言いに来たの?」
先に口を開いたのは、笑顔の京極さん。
「助っ人王とか言われてるお前なら、俺が練習試合申し込んだら来てくれるおもたわ。まんまと乗ってくれて、ありがとーな」
「僕の質問、聞いていたかな?……何を言いに来たの?」
京極さんの声は、至って冷静。
「どうせ今日、桜子連れてきてんやろ?桜子の前で、お前負かしたる。んで、お前の化けの皮剥がしたるわ」
「そっか。頑張ってね」
どうやら、二人の関係は少しだけ、見えた……。
難波君は、彼に突っかかっているそうだ。
京極さんにまるで相手にしていないような態度をとられて、更に苛立っているのだろう。
歯をくいしばる難波君の姿に、僕はひとりオロオロしていた。

