【完】君は狂った王子様。Ⅱ




「で、何を言いに来たの?」



先に口を開いたのは、笑顔の京極さん。



「助っ人王とか言われてるお前なら、俺が練習試合申し込んだら来てくれるおもたわ。まんまと乗ってくれて、ありがとーな」

「僕の質問、聞いていたかな?……何を言いに来たの?」



京極さんの声は、至って冷静。



「どうせ今日、桜子連れてきてんやろ?桜子の前で、お前負かしたる。んで、お前の化けの皮剥がしたるわ」

「そっか。頑張ってね」



どうやら、二人の関係は少しだけ、見えた……。

難波君は、彼に突っかかっているそうだ。


京極さんにまるで相手にしていないような態度をとられて、更に苛立っているのだろう。

歯をくいしばる難波君の姿に、僕はひとりオロオロしていた。