「もうっ…!お世辞はいらないってばっ!お兄ちゃん、どうして突然帰ってきたのっ…?」

「ああ、夏休みに入ったから、その間戻って来たんだ」

「でも、研究が忙しいから、休みは無いって…」

「桜子に会いたくて、死に物狂いでレポートを終わらせて来たんだよ」



微笑みながら頭を撫でられて、嬉しくなる。

相変わらず何も変わらないお兄ちゃんに、わたしも微笑み返した。

小学3年生の時に出来た、義理のお兄ちゃん。


血は繋がっていないけれど、わたしは本当のお兄ちゃんだと思っているし、お兄ちゃんも、わたしのことをとても可愛がってくれる。

とびっきり優しい、大好きなお兄ちゃん。


まさか帰って来てくれるなんて思っていなかったから、嬉しいっ…。