【完】君は狂った王子様。Ⅱ




相手チームにいるのはもちろん知っていたけど、わざわざ挨拶に来てくれたのかな……?

一瞬、そんな考えが芽生えたけれど、どうやらそれは違ったらしい。


難波君の視線が向けられた先に、僕はいなかったから。



「用があるのは、僕って言いたそうだね」



睨むように京極さんを見る難波君に、京極さんはにこりといつもの笑顔で微笑んだ。

ええっと……二人は、お知り合いなのかな……?



「お久しぶりやな、京極」

「ふふっ、本当に久しぶりすぎて、君の存在忘れていたよ」



それにしては、不穏な空気……?

方や睨みを、方や微笑みを向け合う二人に、僕は後ずさり背後に回った。

傍観者となった僕は、二人を交互に見つめる。