【完】君は狂った王子様。Ⅱ




とーる、何処だろう……?

首をうんっと伸ばして隣のベンチを見ようにも、マネージャーさんたちが壁となって、姿が見えない。

まるで、わたしを隠すように立っているようにすら感じるマネージャーさんたち。

気のせいだろうけど、もう少し右に寄っていただけないでしょうか……っ。


身体を仰け反った時、だった。




「「「「きゃぁああ!!!」」」」




先程よりも大きな歓声が、体育館中に響き渡る。



「天堂さーーん!!」

「凱さん頑張ってえーー!!」

「京学ファイトー!!!」



あっ……がっ君たちだ……!

歓声の発端は、どうやら京学バスケ部の登場だったらしい。

並んで歩いてくる、バスケ部一同。

その中で、がっ君はひとり駆け足でわたしの元へ来てくれた。