元の高校戻ったって行ってたけど、何か挨拶してきた方がいいかな……?
わたしのせいで、転校したようなものだし、何も言わずにお別れになっちゃったから……。
心の奥に隠してあったとーるへの罪悪感たちが、「謝るなら今だ!」と挙って立ち上がる。
でも、がっ君に男の人とは話しちゃいけないって言われたし……ぅ、どうしよう……。
とりあえず、がっ君との約束を破るわけにはいかない。
がっ君が来るの、待とう……。
相手校の選手は、少し空けて隣にあるベンチに座って、ガヤガヤと話をしていた。
その中に、とーるの名前も。
「おい徹!例の彼女見つかったんか?」
「いや……見つからないっす」
「なーんや、お前が絶世の美少女言うから、見れんの期待しとったのに……」
会話の内容までは聞こえないけれど、大きなボリュームで話す声がちらりほらりと耳に入った。

