【完】君は狂った王子様。Ⅱ




元の高校戻ったって行ってたけど、何か挨拶してきた方がいいかな……?

わたしのせいで、転校したようなものだし、何も言わずにお別れになっちゃったから……。


心の奥に隠してあったとーるへの罪悪感たちが、「謝るなら今だ!」と挙って立ち上がる。

でも、がっ君に男の人とは話しちゃいけないって言われたし……ぅ、どうしよう……。

とりあえず、がっ君との約束を破るわけにはいかない。

がっ君が来るの、待とう……。


相手校の選手は、少し空けて隣にあるベンチに座って、ガヤガヤと話をしていた。

その中に、とーるの名前も。



「おい徹!例の彼女見つかったんか?」

「いや……見つからないっす」

「なーんや、お前が絶世の美少女言うから、見れんの期待しとったのに……」



会話の内容までは聞こえないけれど、大きなボリュームで話す声がちらりほらりと耳に入った。