【完】君は狂った王子様。Ⅱ




「あ、難波君も来てる!あーあ、せっかくうちの高校でバスケしてくれると思ったのになぁ……」



……難波、君?

これまたマネージャーさんの言葉に、首を傾げそうになった。

どこかで、聞いたことがあるような……

難波、さん……



『俺、難波徹って言うねん』



ーーーあっ。



「とーる……?」



まさかと思い、わたしは立ち上がって相手選手の顔を一人一人確認した。

その中に、懐かしい姿が、ひとつ。


間違いない……とーる、だっ……!


とーるは、誰かを探しているのかキョロキョロと観客席を見渡していて、わたしの存在には気づいていない様子。

ど、どうしようっ……とーる、相手選手だったんだっ……。