「あ、難波君も来てる!あーあ、せっかくうちの高校でバスケしてくれると思ったのになぁ……」
……難波、君?
これまたマネージャーさんの言葉に、首を傾げそうになった。
どこかで、聞いたことがあるような……
難波、さん……
『俺、難波徹って言うねん』
ーーーあっ。
「とーる……?」
まさかと思い、わたしは立ち上がって相手選手の顔を一人一人確認した。
その中に、懐かしい姿が、ひとつ。
間違いない……とーる、だっ……!
とーるは、誰かを探しているのかキョロキョロと観客席を見渡していて、わたしの存在には気づいていない様子。
ど、どうしようっ……とーる、相手選手だったんだっ……。

