【完】君は狂った王子様。Ⅱ






試合、いつになったら始まるんだろう……。

ひとりベンチに座りながら、体育館の時計に目をやった。


がっ君が出て行って、もう三十分以上経つ……早くがっ君来ないかなぁ……。


寂しくなり始めていた時、体育館に黄色い声が響いた。

観客の女の子たちから挙がったものだろう。


がっ君たちが来たのかな……?


そう思ったけれど、どうやらそれは違うようで……

相手チームの、選手?


わたしのいるベンチとは、反対方向から入ってきた、赤いユニフォームを纏う選手たち。



「うわ、早乙女来たね……」

「あの人、この前雑誌に載ってたよ……プロのスカウト来てんだって」



プロ……?

相手の人たち、そんなに凄い方々なの……っ?

マネージャーさんたちの会話が聞こえて、なんだかわたしまで身構えてしまった。