【完】君は狂った王子様。Ⅱ




「今は我慢してあげるから、夜……覚悟しててね」

「夜?」

「言ったでしょ……抱くって」

「……っ」



……わ、忘れて、た……。

がっ君、初めてをもらう、とか言ってたんだ……。

すっかり頭の中から抜け去っていたけど、改めて理解すると、未知の世界すぎて想像もつかない。

変に緊張するより……きょ、今日は、純粋にデートを楽しもうっ……。



「それじゃあ、行こっか?」

「う、うん……」



がっ君と手を繋いで、部屋から出た。



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「そういえば、その紙袋どうしたの?」



車内で、わたしの膝の上に乗せられた紙袋を、指しがっ君がそう言った。