「今は我慢してあげるから、夜……覚悟しててね」
「夜?」
「言ったでしょ……抱くって」
「……っ」
……わ、忘れて、た……。
がっ君、初めてをもらう、とか言ってたんだ……。
すっかり頭の中から抜け去っていたけど、改めて理解すると、未知の世界すぎて想像もつかない。
変に緊張するより……きょ、今日は、純粋にデートを楽しもうっ……。
「それじゃあ、行こっか?」
「う、うん……」
がっ君と手を繋いで、部屋から出た。
ーーーーー
ーーー
「そういえば、その紙袋どうしたの?」
車内で、わたしの膝の上に乗せられた紙袋を、指しがっ君がそう言った。

