「大丈夫だよ……まるごと全部、桜の何もかも……俺が守ってあげるから、心配なんかしなくていい」
まるでわたしの心を見透かしたように、囁かれた言葉。
いつもそうだった。
あまり自分の気持ちを言葉にするのが得意ではないわたしのことを、がっ君は誰よりもわかってくれた。
……わかろうと、してくれた。
改めて、がっ君が好きだと心が叫ぶ。
「体調、悪くなったらすぐに言うんだよ?」
「うんっ……」
「よし、良い子。それじゃあ朝食をとりに行こうか」
胸に顔を埋めたまま頷いたけれど、まだ離れたくない。
「桜?」
「もう少しだけ、ぎゅ……って……」
「………」
「だ、だめ……?……ごめんなさい」
「……いや、違うんだ。桜が可愛すぎて、言葉が出てこなくて……ほら、ぎゅーってしてようか?」

