けれど、がっ君はそんなことをさせるつもりは、さらさらなかったらしい。

この時は、まだそのことに気づいていなかった。



「……そう。ならいいんだけど、無理はしないでね。学校なんて、別に行かなくったっていいんだから」

「ダメだよ!もうすぐテストもあるんだし……」

「テストなんかよりも、桜の身体が一番の大事でしょ」



がっ君……。

わたしを労ってくれるがっ君に、嬉しくなって抱きついた。

胸に顔を押し付けて、頰を擦り寄せると、頭上から「ふふっ」と笑う嬉しそうな声が耳に入る。



「……それに、俺のお嫁さんになる桜に……学歴なんて必要無いしね」



……ん?



「がっ君、何か言った?」