やっぱり今日は、がっ君が甘えてる…!
珍しい姿に、どうしたら良いかわからずオロオロしてしまう。
なんだか可愛くて、こ、断れない…っ。
それに、わたしもほんとうは…まだ離れたく、ない…。
「お、お母さんに聞いてくるね…!」
きっと今日は、お母さんは家にいるはずだ。
「俺も行く。桜子のお母さんに、ちゃんと挨拶していないしね」
一体なんの挨拶?と思ったけれど、がっ君が一緒に来てくれるのは心強いので、わたしは頷いた。
「ただいまっ…!」
家に入ると、お母さんとお父さんの笑い声が玄関まで聞こえてきた。
…?
なんだか騒がしいなぁ…。
不思議に思い、がっ君と目を合わせた。
奥から、走ってこちらに向かってくる大きな足音が聞こえて、扉の方を見つめる。

