【完】君は狂った王子様。Ⅱ



不敵な笑みを浮かべながら、あやすように頭を撫でてくるがっ君。

撫でられるのが気持ちよくて手に擦り寄ると、突然、その動きが止まった。


……?



「お兄さんとは、軽いキスで終わったの?」



再び、ドクンッと音を立てる心臓。



「ふ、深い、のも……」



そう言うと、がっ君の機嫌があからさまに悪くなるのがわかった。

抵抗できなかったわたしにも非があるけれど、申し訳ないと思うけど……



「ふーん……じゃあ、俺にも深ーいの、しなきゃね?」



そんなに、怒らなく、ても……っ。

顔からいつもの笑みを決して、不機嫌な瞳で見つめてくる。



「が、がっ君も……」

「俺も、なに?」