うっ……なんだか、騙された感……。
でも……で、できる……!
「目、目つぶって…?」
流石に見られたままじゃ恥ずかしいのでそう言えば、がっ君は素直に閉じてくれた。
目の前にある綺麗な顔に、躊躇してしまう。
は、恥ずかしい……っ。
「桜子、まだ?」
「い、いまするっ…」
痺れを切らしたがっ君に、わたしは意を決して唇を開いた。
「がっ君、……すきっ」
ゆっくりと、がっ君の綺麗な唇に、自分のそれを重ねる。
リップ音もならないような、重なるだけのそれ。
「………好き…んっ、好き…っ」
段々と羞恥心も和らぎ……なんてことはなく、むしろ重なる度に顔の熱は温度を高めていった。
もう、無理……。
「ちょっとだけ、休憩……」
「ほら、まだ十回目だよ」

