喉の奥から振り絞ったような、切なすぎる声色で囁かれて、心臓がぎゅっと痛んだ。
「ご、ごめんなさいっ……」
「……許してほしい?」
何度も頷くわたしに……
「じゃあ、桜子から俺に、百回キスして」
がっ君は、小さな声で切望するように言った。
「キスとキスの合間に、『好き』って言いながらね」
「ひゃ、ひゃっかい?」
「うん。だって他の男とキスしちゃったんでしょ?そのくらいしないと、消毒できないじゃないか」
そ、んなの……だって、百回もしたら唇荒れちゃうよ……?
「…できない?」
その言葉に、慌てて首を左右に振った。
「で、できるっ…!」
許して、ほしいもん……っ。
「じゃあ、して」
先程の苦しさは何処へやら、ニヤリと口角をあげるがっ君に、眉の端を下げる。

