「媚薬なんて、飲まされちゃダメでしょ?……本当に、無防備なんだから……俺がどれだけ切歯扼腕したかわかって」
「がっ君……ごめんなさい……」
「キスなんかされて……本当に、殺してやりたいよ。……怖かったね」
ゆっくりと抱きしめ返してくれて、頭を撫でてくれるがっ君の優しさに、涙が止まらなくなる。
「お兄さんが日本にいる間、俺の家においで。あんな家に……帰らせてあげない」
「でも……」
「桜は何も心配しなくていいから。ご両親にも、俺から話すよ」
「……で、でも「もう黙って。良い子だから俺の言うこと聞いて、ね?」
なにも言わせない、とでも言うかのように、口を塞がれる。
唇を離し、わたしの額に自分の額をくっつけると、怒ったような、切なそうな……見ているだけで苦しくなる眼差しで、がっ君に見つめられる。
「俺がどれだけ桜に近づく男に嫉妬してるか……頼むからわかって」

