恐る恐る口を開いて、言葉を発した。
「ミルクティー、に……多分薬が、入ってて……身体が、熱くなって……お兄ちゃんが、ベッドまで運んでくれて……それで、苦しいのから、解放してあげるって……」
「………うん、それで?」
「……それ、で……身体を、触られ、て……」
「……キスされたの?」
言葉を飲み込んだわたしに、がっ君がそう聞いてきた。
目をきつく閉じたまま、首をゆっくりと縦に振る。
「わたし、ちゃんとやめてって、言ったよっ……?」
「うん、わかってるよ」
「怒ってる……?他の人とちゅーしちゃったから、わたしのこと嫌いになったっ……?」
がっ君、他の人と話すだけでも嫌がるのに、キス、なんて……。
汚いって、思われたらどうしようっ……。
お兄ちゃんへの恐怖よりも、がっ君に嫌われることの方が……何倍も恐ろしい気がした。
「怒っては……まあいるかな」
や、やっぱりっ……。
「ごめんなさぃっ……」
涙が溢れて、目の前のがっ君にしがみつくように抱きついた。

