そろそろ帰る時間になり、がっ君が家まで送ってくれる。
「あーあ…離れたくないなぁ…」
車の中で、がっ君はわたしを膝の上に乗せながらずっとくっついている。
今日は甘えたいのかな…ふふっ、最近二人きりの時間が少なかったからかも…。
身体の向きを変えて、がっ君の頰にキスをした。
わたしからすることは滅多にないから、驚いている様子。
にっこりと笑った後、わたしはがっ君の唇が荒れていることに気づいた。
「さ、くらッ…」
「がっ君、唇赤くなってる…待って、リップつけよ」
ポケットから出したリップの蓋を開けて、がっ君の唇に塗ってあげた。
「はい。ぬれたよ」
そう言った時、車が停車した。
家に着いたみたいで、窓の外にはわたしの家が。
「送ってくれてありがとう。また明日…」
「…ダメだ。やっぱり帰したくない」
「…えっ、でも…」
「ねぇ、今日俺の家泊まろう?明日の荷物だけ持って、一緒に帰ろう…」

