「大丈夫、だから……がっ君、離れ、て……」
俺が近づくことを拒んでいるかのように、俺から離れようとする桜。
俺は、酷く胸が苦しくなった。
「俺が、怖い?」
ただでさえ、桜は男が苦手な方だった。
……否、そうさせたのは俺だが。
今回のことで、俺のことまで、怖くなったか……?
もしそうだったら……
桜に拒まれたら、俺は生きていけない……っ。
「怖く、ないっ……」
その言葉に、酷く安堵して、身体中の力が抜けた気がした。
「がっ君は……大丈、夫っ……」
桜……桜桜、桜ッ……。
桜を抱き寄せて、隙間がなくなるくらいに抱きしめた。
もう絶対に、誰にも触れさせたりなんかしない。

