とりあえず、この男にどこまでされたのかを聞き出して……消毒、しなきゃ。



「…ッ、さくら、こ…」



桜の可愛さのおかげで、せっかく少しだけではあるが、怒りが収まっていたのに。

なんだこいつ、不死身か。


あんなに殴ったのに、まだ意識があるなんて……俺、これでも鍛えてるんだけど。

桜にナヨいって思われたら、嫌だしね。


桜の視界を塞いで、とりあえず今度こそ急所を蹴り飛ばしてやった。


必死に呼吸を整えようと、肩を上下させている桜を抱えながら、俺は早急に家を出た。




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「桜、少し横になる?」



車のソファに桜を座らせて、顔色を伺う。桜は、首を必死に左右に振っていた。