「野蛮な奴だな……」

 まあ、いい、と王子はまとめるように言ってきた。

「ルールに(のっと)り、一度人形に入ってしまったら、出られないのだ。
 この人形たちを直しながらやるしかない。

 さあ、時間だ。
 ついて来い、人形師っ」

 いつ目が覚めるんだろうな、これ。

 わー、と小さな声を上げながら、ビニール袋から飛び出し、走っていく三人官女や、転がっていくその他人形の首の後ろを紬はついて行く。

 ……早く、体、作ってやらなきゃな、と思いながら。