------その日の空は、いつもと同じだった。



 仕事帰りに歩く街の風景も、心地よい
香りが漂う店の入り口も、いつもと何ら
変わらない。
 穏やかで、幸せに満ちた日常の継続。

 けれど、この世界に“変わらないもの”
など、ひとつもないのだという事を、
僕はまだ、知らなかった。