「あの子は息を切らしながら、突然現れた私に驚愕の表情をしていた。 今しがた何が起こったかもわかっていないだけでなく、きっと私の事も何も聞かされていなかったのね。 でもあの子がどう思おうと、どうでもいい事」

 あの子、言ったのよ……そう呟いたアイリスはミアとの初めての会話に何を感じたのだろうか。

『あの……私の家の使用人が探しているはずなのですが、どこにいるのでしょう?』

『そんなの、知らないわ』

『お手間を取らせてしまいますが、私を連れて行っていただけませんか?』

『いいわよ。 その前に少しだけ、お話しましょう』

 あの子はホッとした顔をしていたわ、そう言うアイリス。

『どうして私と貴方は顔がそっくりなのでしょうか?』

『あら、本当だわ。 だったら着ている服を取り替えてみない? そしたらもっと似ているかもしれないわ』

『おもしろいですわ。 私、年の近いお友達がいないから初めてなの』

 そして、互いが着ている服をその場で取り替えたのだと言う。