『カークス様、お庭の薔薇がとても綺麗ですね』
『メリルは何色が好きかい?』
『えっとね……。 白も赤も黄色も好き、ピンク色はもっと好き。 でも一番好きなのは赤です』
『メリルは赤が好き?』
『はい。 この色はね、私の心なの』
『メリルの心なのか』
あれはまだメリルと出会ったばかりの頃。
我がウォーカー伯爵邸の庭園に咲き誇るたくさんの花達の間を手を繋いで歩いた。
俺が九歳、メリルが六歳。
散歩が楽しくて、はしゃぐ姿を大人達がお茶を飲みながら眺めていたのを覚えている。
あの頃のメリルは金髪に近い栗色の髪を綺麗にロールして、風に靡かせる姿が人形のようで美しかった。
俺が誉めると、頬を染めて嬉しそうで。
毎朝、侍女に髪を巻いてもらいながらお喋りをするのがきっと楽しいからだと言う。 侍女はメリルの他愛ない話をはい、はい、と笑いながら聞いてくれるのだと。
時には巻き方も教えてもらったりして、女の子な自分を楽しんでもいた。
『メリルは何色が好きかい?』
『えっとね……。 白も赤も黄色も好き、ピンク色はもっと好き。 でも一番好きなのは赤です』
『メリルは赤が好き?』
『はい。 この色はね、私の心なの』
『メリルの心なのか』
あれはまだメリルと出会ったばかりの頃。
我がウォーカー伯爵邸の庭園に咲き誇るたくさんの花達の間を手を繋いで歩いた。
俺が九歳、メリルが六歳。
散歩が楽しくて、はしゃぐ姿を大人達がお茶を飲みながら眺めていたのを覚えている。
あの頃のメリルは金髪に近い栗色の髪を綺麗にロールして、風に靡かせる姿が人形のようで美しかった。
俺が誉めると、頬を染めて嬉しそうで。
毎朝、侍女に髪を巻いてもらいながらお喋りをするのがきっと楽しいからだと言う。 侍女はメリルの他愛ない話をはい、はい、と笑いながら聞いてくれるのだと。
時には巻き方も教えてもらったりして、女の子な自分を楽しんでもいた。