「本当は連れて行くつもりでした。 ですが、自分が居ては邪魔になるからと」
「メリルは立場を考えて、身を控える事のできる人間だよ。 そのように育てて来たからね」
「承知しております。 心配ではありましたが、メリルなら大丈夫だろうと……」
「愚かだね。 メリルは女だよ」
「はい、申し訳ございません」
ところが、その後でベネット子爵から告げられた言葉に俺は衝撃と驚愕を感じた。
「だが、今後はその心配も必要ないだろう」
「と、言いますと……?」
「君とメリルの婚約は近々、破棄するつもりだ」
「え?」
「ウォーカー伯爵には私の方から願い出る」
俺は思わず立ち上がってベネット子爵を見下ろした。
「聞いておりません。 どういう事ですか?」
「君には新たな婚約者ができるというではないか」
「新たな、婚約者?」
「確か、名前をアイリス・キャンベルと言ったか」
「いえ……アイリス嬢はジョルジュの婚約者ですよ?」
「だが、彼女は君の子を成すつもりだと聞いているよ」
「メリルは立場を考えて、身を控える事のできる人間だよ。 そのように育てて来たからね」
「承知しております。 心配ではありましたが、メリルなら大丈夫だろうと……」
「愚かだね。 メリルは女だよ」
「はい、申し訳ございません」
ところが、その後でベネット子爵から告げられた言葉に俺は衝撃と驚愕を感じた。
「だが、今後はその心配も必要ないだろう」
「と、言いますと……?」
「君とメリルの婚約は近々、破棄するつもりだ」
「え?」
「ウォーカー伯爵には私の方から願い出る」
俺は思わず立ち上がってベネット子爵を見下ろした。
「聞いておりません。 どういう事ですか?」
「君には新たな婚約者ができるというではないか」
「新たな、婚約者?」
「確か、名前をアイリス・キャンベルと言ったか」
「いえ……アイリス嬢はジョルジュの婚約者ですよ?」
「だが、彼女は君の子を成すつもりだと聞いているよ」



