思い切りアパートの玄関のドアを開けて外を見たけど既に彼の車はなく、駐車場は閑散としていて冬の漆黒の寒空が広がっている。

「もう!なんでこんな大事なことっ!」

 部屋に戻ってテーブルの上に置いていたスマホを取り彼に電話をかけた。

 呼び出し音が鳴るばかりで彼が出る気配はない。

「あーもうっ!」

 スマホを投げ出してソファに寝転がった。

 まあいい。

どうせ明後日また彼に会うのだ。

そのときちゃんと口で言わせよう。

『明後日、直接言って』とだけ彼にメールした。