いきなり叫ばれても困る


「いやいや、だってよー。なぁ?」

「……」

「ちょいちょい、無視しないでよ、和葉くん」

「きもい」

「ひ、ひどぉぉ」


見ていて、非常にいたい

見てはいけないものを見た感覚になる


「菜乃葉ちゃん、え、いいの?」

「だからそういってるでしょ」

「……っよしゃぁぁぁ!!」

「うるさい!!!」

「ごめんなさいっ……」


これでカップルが一つ誕生するかな


「よし、さっそく明日にでも―――」

「ちょっと待って!」

「な、なに?」

「呼び出し方はいいの?」

「あ……」

「まぁ、いっか。それ食べて飲んで、帰って」

「いやいや、ちょちょちょちょ、まっ―――」


思い生きるケーキを彼の口に突っ込む

そのあとココアを飲ませる、ということを繰り返し

和葉が彼の口を拭って、この部屋から追い出した


「やっと静かになったね、姉さん」