「あれ、菜乃葉(なのは)ちゃんってば。もしかして俺が恋しくなった？」

「そんなわけないでしょう」


私の名前を呼び始めた信治はすっかり幼馴染気分だ

私の名前は夜月(やずき)　菜乃葉《なのは》

信治とは幼馴染なので彼の恋の相談相手になっていたのだ

彼の好きな人は私の親友の園咲(そのざき)　心奈(ここな)

二人はくっつけるのは簡単だ。

すぐに思った

両片思いだからだ


「ところでさっきの告白だけど、大丈夫だと思うよ」

「「……」」


突然、話し始めたので驚いたのだろうか

和葉は信治の肩をたたきながら、憐れむような顔をする

信治も悲しそうな顔をするのだ

え、まさか今までのダメ出しのせいで落ちたと勝手に思っているんじゃ……


「……」

「………」

「…………」

「「……っうえぇぇぇっ！！」」

「うるさい！！！」