遠坂くんは戸惑った様子で私の顔を見ている。


あ、やばい……これは迷惑だった、かな……?



「え、えっと、保健室に運んでくれたお礼にって思ったんだけど……。ごめん、やっぱこんなのじゃ逆に迷惑に……」

「それ、小野山さんの分じゃないの?」

「あ、実は私は三つぐらい別にパンがあるの。何か、パン食い競争用のパン、間違えてたくさん発注しちゃったらしくて、今日の朝実行委員全員に配られたんだ」



私はそんなことを説明してからはたと気付く。



「あっ、そうだ私何考えてたんだろう。お礼にするならこっちのパンの方が良いよね。これ最近コンビニでよく売ってる美味しいって有名なメロンパンみたいだし……」



私は慌ててトートバッグの中からパンが入ったビニール袋を取り出す。

それと同時にお弁当は遠坂くんの前から引っ込めようとした。

だけど──。