さすがに各クラスの最速たちを集めただけあって、皆すごく速い。だけどコーナーを過ぎたところで、他のクラスの人たちに差を付けた二人がいた。
遠坂くんと杉野くんだ。
……って、遠坂くん速いな。え、帰宅部だよね?今走ってる中に陸上部の人たちだって何人かいたはずなのに。
今のところ二人の間にほとんど差はない。
だけどゴール近くになって、少し差が出始めた。
ゴールテープがひらりと舞う。
「うおおおおおお!!」
私の周囲で大きな歓声が上がった。
ゴールテープを切り、“1”の数字が入った旗を渡されたのは……杉野くんだった。
「杉野おおぉ!でかした!」
「お疲れ杉野くん!おめでとう!」
「お前めっちゃ速いな!」
クラスメイトたちの元に戻ってきた、杉野くんは、皆に順番にハイタッチをしていく。
私も流れで手を出すと、杉野くんは軽く叩いて人懐っこい笑みを浮かべた。



